車好きの視点から見る機械遺産

【 Contribution time :2017-10-17 17:35:11

機械遺産をご存知でしょうか?一般社団法人日本機械学会が、機械技術の発展に貢献したことを認定した日本国内の機械のことです。エンジンやポンプなどといった機械に組み込まれるものもありますが、船舶や鉄道、旅客機、もちろん自動車も機械遺産のラインナップに入っています。

車好きに有名な機械遺産といえばホンダのcvccですね。自動車そのものではないのですが、日本でも最大手の自動車メーカーであるホンダが開発した低公害エンジンで、開発当時世界一厳しいとされていた米国のマスキー法(排気ガス規制法)の規制値を初めてクリアすることができた、世界的に見ても画期的なエンジンです。燃焼解析技術が進歩し、CVCCを必要としない低公害エンジンが開発できるようになったため、CVCCはメインストリームとなることはありませんでしたが、機械遺産の名にふさわしいエンジンであることは疑いようもありません。

自動車そのものの機械遺産はどうなのかといえば、恐らく一番有名なのは「スバル360」なのではないでしょうか。2016年に認定されたばかりです。昭和30年代に爆発的なヒットを記録し、自家用車の普及に大きく貢献した自動車です。丸っこいフォルムをしているために「てんとう虫」という通称で呼ばれていました。老若男女問わず愛される優れたデザインで、現代でも非常に愛好者が多いです。

スバル360の画期的なところは、航空機の技術を応用して作られた軽量ボディで、大人4人を乗せても走行が快適にできたという点です。今では大人4人乗りの自動車は当たり前でしたが、昭和30年当時は最先端の技術力でした。一家で1台車をもつことを当たり前にしたのは、このスバル360の功績です。

ここ最近は、交通機関の発展と車の維持費が払えないといった経済的な問題で、車を持たない方が増えています。しかし、車好きとしては昭和30年当時のスバル360のように、今の若者でも気軽に購入して乗り回せるような車が出てくれたらいいのにな、と感じずにはいられませんね。