水素で走る燃料電池自動車FCV
【 Contribution time :2015-08-13 14:50:23 】
電気自動車について散々あれこれ言いましたが、2014年に世界初の量産FCVが発売されました。FCVとは「Fuel Cell Vehicle」すなわち「燃料電池自動車」とのことですが、一般的にFCVといえば「水素を燃料とした燃料電池自動車」のことを指すようです。
水素で走るFCVは、ある意味とても画期的です。ガソリンと違って二酸化炭素などの大気汚染となる物質を排出しないどころか、水しか排出しないため、背後にマフラーや排気管がありません。また水素は、石油と違って未来まで枯渇しないエネルギーとしても注目されています。
ではFCVの問題点はなんでしょう? それはやはり「水素」という点です。水素は宇宙で最も多い物質ですが、一方で地球上に「水素のまま」で採集可能なものは存在していません。水などの構成要素としては豊富に存在しているものの、例えば水を電気分解するなどして、水素を製造しなければならないのです。しかし水の電気分解に使う電力を、そのまま電気自動車に充電したほうが、残念ながらエネルギー効率がいいのです。
また水素は密度がとても薄いので、車の燃料として搭載するには一度がっつり圧縮して圧縮水素を精製しなければなりません。この圧縮にも、またかなりのエネルギーを必要とします。
そして何より問題なのは、「水素ステーション」が日本にまだまだ少ないことでしょう。東京都内でも8箇所しかなく、建設予定まで含めても全国で41箇所。とてもではないけど、まだまだ実用的なレベルではありません。未来カーとしての期待は高まりますが、普通の人が手を出すには早そうです。